腸内細菌叢がインフルエンザワクチンの効果を高める

東京大学の研究グループは、 腸内細菌由来の代謝産物や外気温や摂食量などが、 インフルエンザウイルス感染後の免疫応答やワクチン効果に影響を及ぼすことを世界で初めて見出した。 腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)が、インフルエンザウイルスの特異的…

国産初の遺伝子治療薬『コラテジェン』

体内に遺伝子を入れて病気を治す「遺伝子治療薬」が、 早ければ 2019年5月にも日本で初めて登場する見込みとなります。 薬事承認の手続きに基づいて、厚生労働省の専門家会議で足の血管を再生する薬と血液がん治療薬の承認が了承されました。 遺伝子治療薬の…

がん免疫治療薬と筋肉量の関係

筋肉量が薬の効果を予測して、高額なガン免疫薬の投与を続けるかどうか見分ける指標の一つになる可能性がある。 「オプジーボ」などの新しいガン免疫治療薬の効果は、筋肉量が多い患者ほど長続きするという研究結果を、大阪大のチームが発表しています。 高…

老化物質を抑えると寿命が延びる?

大阪大学の吉森保 教授(細胞生物学)と中村修平 准教授らの研究チームは、 「オートファジー」と呼ばれる細胞内の新陳代謝の機能が加齢に伴って下がる原因を解明し、 ハエや線虫の実験では、加齢に伴って増える特定のタンパク質の働きを抑えることで、老化…

白血病の遺伝子治療薬『キムリア』

厚生労働省 薬事・食品衛生審議会の再生医療部会は 2019年2月20日、 免疫細胞を活用して若年性の白血病を治療する新製剤「キムリア」の製造・販売を了承。 スイスの大手製薬会社「ノバルティス」が開発して日本法人「ノバルティスファーマ」が申請していたも…

抗がん作用が向上する「腸内細菌」11種類を特定

慶応大の本田賢也 教授(医学部微生物学 免疫学教室)らの研究チームは、 健康な人が腸内に持っていることがある免疫細胞を活性化する11種類の腸内細菌を特定。 それを「オプジーボ」などの免疫細胞のブレーキを解除するガン治療薬(抗がん剤)と併用して投…

子宮頸がん防ぐ化合物を開発

子宮頸ガンの発症を抑える抗ウイルス性の化合物を開発したと、京都大の萩原正敏教授(化学生物学)らのグループが発表。 子宮頸ガンの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の増殖を抑えて、感染後のガン発症を防ぐ予防薬や治療薬の候補として期待されま…

「ALS」の治療抗体を開発

運動神経が徐々に消失して、全身が動かなくなる ALS(筋萎縮性側索硬化症)の原因タンパク質を細胞内から除去する抗体とその手法を開発したと、 滋賀医科大の漆谷真 教授(神経内科)らの研究チームが、 京都大学や慶応大学の研究チームとの共同研究で発表し…

インフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」の耐性ウイルスが検出

インフルエンザの新しい治療薬「ゾフルーザ」を使った患者から、治療薬に耐性を持つ変異ウイルスが発見されたと、国立感染症研究所が発表しました。 厚生労働省によると、国の研究機関として実際の治療で検出を確認したのは初めて。 「ゾフルーザ」は、臨床…

オメガ3系脂肪酸が不安を和らげる

国立がん研究センターは、台湾の研究チームとの共同研究で、 サンマやイワシなどの青魚に多く含まれる「オメガ3系脂肪酸」の摂取による、不安症状の軽減をメタアナリシスで確認したことを発表。 サンマ1.5匹に含まれる量(約2g)を3ヶ月 毎日摂取すれば効果…

「パーキンソン病」の治療薬候補を発見

慶応大の岡野栄之教授・神山淳准教授らと、エーザイの研究グループとの共同研究で、神経難病「パーキンソン病」の治療につながる物質を特定し、治療薬候補を発見しました。 患者のiPS細胞から作製した神経細胞で、効果を確認しています。 すでに高血圧の治療…

忘れた記憶を薬で回復させる

忘れてしまった記憶を薬で回復させる実験に成功したと発表。 成功させたのは、東京大や北海道大などの研究チームで「記憶を回復させる効果」がある薬の発見は世界初。 これは、アルツハイマー病などの認知症の治療に役立つ可能性があります。 研究成果は、ア…

iPS創薬でALS治験

慶応大の研究チームは、全身の筋肉が徐々に衰えていくALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療につながる候補薬をiPS細胞で発見。 患者に投与する治験(臨床試験)を 2018年12月から開始しました。 iPS細胞で病態を再現して、 パーキンソン病の治療に使われている既…

悪性脳腫瘍に「放射性治療薬」治験

国立がん研究センターと放射線医学総合研究所は、 悪性脳腫瘍への放射性治療薬を共同で開発し、臨床試験(治験)を始めることを発表。 これは、放射線を出す薬剤(放射性医療品)をガンの近くに集めて、内部から局所的に攻撃してガン細胞の増殖を抑制する仕…

IPS創薬で「遺伝性難聴(ペンドレッド症候群)」治験

遺伝性難聴の治療薬候補をiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って発見し、実際に患者に投与して効果を確認する臨床試験(治験)を慶応大の研究チームが開始しました。 iPS細胞を使った創薬の治験は、 京都大学が骨の難病(FOP)患者が対象の臨床研究に続いて、…

「先天性ネフローゼ症候群」治療薬を開発へ

小児腎臓病の1つで「先天性ネフローゼ症候群」の病態(初期に起こる異常な働き)を再現させることに成功しました。 成功したのは、熊本大学発生医学研究所の谷川俊祐助教と西中村隆一教授らの研究チーム。 チームは、発病の仕組みの解明・有効な治療薬の開発…

抗がん剤の効果を予測

手術で摘出した大腸ガンを培養して、抗がん剤の効果を予測する薬剤感受性試験を京都大の研究チームが発表した。 実用化されれば、患者ごとに最適な種類の抗がん剤を選ぶことができて、 効率的な治療が可能になり、患者ごと効果にバラつきの大きい抗がん剤治…

「におい物質」で血糖値を低下させる

東北大学の研究グループが、 鼻の嗅覚神経で「におい」を感知することに役立っている「嗅覚受容体」が、ヒトやマウスなどで膵臓のインスリン分泌細胞(β細胞)にも存在していることを発見するとともに、 オクタン酸というにおい物質が、この膵臓β細胞にある嗅…

マダニの『強力接着剤』

致死率30%のウイルスなど、他にも恐ろしい病気を媒介する寄生生物のマダニは、 自前の接着剤で宿主の皮膚に貼りついています。 この接着剤は強度は十分で、人間の皮膚にも接着できるので、拒否反応も少ないと思われ、 医療用接着剤として応用できる可能性が…

「がんワクチン」で全身の腫瘍が消滅

多くの人を苦しませている病 「がん」の治療について、 新たな成果が発表されました。 アメリカのスタンフォード大学の研究チームは、2つの免疫系刺激物質をマウスの腫瘍に直接注入することで、 その部位だけでなく、他に転移していた腫瘍までも消滅させる…

コモドドラゴンで新薬開発

『ドラゴンの血で傷を癒やす』 インドネシアのコモド島などに生息する世界最大級のトカゲで、コモドドラゴン(コモドオオトカゲとも呼ばれます)の血液成分を参考に作った物質から、 強い抗菌作用と傷の治癒を早める効果が確認されました。 近年は、抗生物質…