オメガ3系脂肪酸が不安を和らげる
国立がん研究センターは、台湾の研究チームとの共同研究で、
サンマやイワシなどの青魚に多く含まれる「オメガ3系脂肪酸」の摂取による、不安症状の軽減をメタアナリシスで確認したことを発表。
サンマ1.5匹に含まれる量(約2g)を3ヶ月 毎日摂取すれば効果が認められるとしています。
アメリカ医師会 雑誌の関連誌に掲載された。
『オメガ3系脂肪酸』には、
血中の中性脂肪を低下させるDHA(ドコサヘキサエン酸)や、EPA(エイコサペンタエン酸)などがあり、常温でも固まりにくいなどの特徴があります。
不安症状とは、
最も一般的にみられる精神症状であり、約3人に1人が生涯において、何らかの不安症と診断されています。
不安は、生活の質や社会機能を低下させ、全死亡率を上昇させることにも繋がります。
不安症の治療法には、
「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」や「認知行動療法」が用いられていますが、
前者は鎮静や依存などの副作用が懸念されていて、
後者は治療にかかる時間や費用、そして治療者不足などが課題となっていて、
身体疾患を抱える人の不安を和らげるための科学的根拠に基づく、安全で簡便な対策が求められています。
日本国内だけで年間38万人以上の命を奪うガンは、年間100万人以上が発症していると推計されています。
早期発見・早期治療で予後は改善しやすくなっていますが、進行ガンやガンの再発など油断できません。
そのため、ガン治療後に「再発したら…」と不安が膨らむことも珍しいことではないです。
強い不安から外出を控えて活動量が極端に減ってしまい、QOL(生活の質)が著しく低下すると健康寿命も縮める恐れがあります。
そんな不安を食事で和らげるための研究が進んでいる。
国内がん研究センターや台湾の合同研究で、
サプリなどでオメガ3脂肪酸を摂った人と、摂らなかった人を比較する、
日本を含む11カ国の臨床試験19件(この臨床試験には、健康な人も含め、薬物依存やPTSD、鬱病、急性心筋梗塞など、様々な患者が参加)、
計2240人分のデータを解析(メタアナシリアス)。
その結果、オメガ3系脂肪酸を少なくとも2000mg摂取(1日2gほどを目安)した場合に、抗不安効果(不安症状が和らいだ)あったとしています。
さらに、不安の軽減効果は、身体疾患や精神疾患等の臨床診断を抱えている考えてのほうが大きかったことも確認しています。
オメガ3系脂肪酸摂取による抗不安効果については、
以前よりマウス実験などでも示唆されてきましたが、これまでに報告されてきた臨床研究では結果のバラつきが大きく、効果があるかどうかは明らかにされていませんでした。
国立がん研究センターの松岡豊 健康支援研究部長によると、
不安を軽減する仕組みは分かっていないが、マウスの研究ではオメガ3系脂肪酸は脳の恐怖をつかさどる部分の働きを抑えることが指摘されている。
「今後、大規模な臨床試験などで詳しく調べ、患者が抱える不安を薬を使わずに和らげられるようにしたい」と話しています。
今後は、
オメガ3系脂肪酸の摂取量を2,000mg以上に設定し、身体疾患や精神疾患等の臨床診断を抱える人を対象にした大規模な臨床試験を実施することで、オメガ3系脂肪酸による抗不安効果の検証が期待されます。
そして、海洋由来のエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸、そして植物由来のアルファリノレン酸のいずれが、不安軽減に最も有効であるかを検討する研究も必要となる。
科学的根拠に基づく機能性食品開発につながることが期待もされます。