動物でヒトの臓器を作製解禁
政府の総合科学技術・イノベーション会議の生命倫理専門調査会は、2018年11月26日
『ヒトの臓器を持つ動物を作る研究を認めること』を文部科学省がまとめた指針改正案を了承し、条件付きで合意。
2019年春頃までに改正手続きが行われ、正式に解禁されます。
将来的に、臓器移植などへの応用が期待されています。
まず想定されているのは、
ブタなどの動物の受精卵(胚)に、
ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを組み込んで、
ヒトの細胞がまざった動物を誕生させる研究です。
研究が解禁されたら、中内啓光(東京大学特任教授)のチームが、ブタでヒトの膵臓を作る研究を行う考えを示しています。
海外ではすでに、
動物からヒトに移植するための臓器を作ったり、薬の開発に役立てたりする応用研究が進んでいます。
人の細胞がまざった動物の胚は「動物性集合胚」と呼ばれ、
これまで国内では、これまで倫理的な問題があるとして子宮への移植が禁止されていました。
今回の改正案では、
- ここに脚注を書きますヒトと動物との境界が曖昧な生物が生まれないような防止措置が取られていること
- ヒトの子宮には移植しないこと
- 生まれた動物を交配させないこと
などを条件に、科学的な合理性があると認められる場合に限り研究を認める方針です。
研究の実施には、国や研究機関などの倫理委員会があらかじめ審査することも求められます。