「グンゼ」再生医療に参入(膝軟骨 再生シート)

グンゼ」が再生医療に参入します。

ポリグリコール酸(PGA)を材料とした吸収性の軟骨再生基材「コンドロベール」(軟骨の再生を促すシート)を開発して、ヨーロッパでCEマーキングの認証を取得。

同社は今回の開発を機に、再生医療に本格参入します。

 

「コンドロベール(膝軟骨シート)」は、

すり減ったり、欠けたりした軟骨にシートを貼って使用します。

2018年からヨーロッパで販売を始め、日本や中国などでの販売も検討しています。

これにより、再生医療が商用化へと進みそうです。

 

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グンゼが開発した吸収性の軟骨再生基材 CHONDROVEIL コンドロベール)

 

手術で軟骨に微小な穴をあけ、シートを損傷部分に貼ると、染み出す骨髄液がシートに吸着し軟骨再生の足場になる。

一度損傷してしまった軟骨はほとんど再生しないので、これまでは手術で別部位から軟骨組織を取り出し、それを培養して移植する必要がありました。

このシートを使えば、別の部位の軟骨組織を取り出す必要もなく、

4週間ほどかかる培養も不要。

 

価格は、3センチ×3センチのシートで10万円程度なので、

従来の治療に比べて、費用も1/10程度に抑えられ、治療期間と費用の面からも患者の負担減が期待されています。

 

 

男性用インナーなどが主商品の大手繊維メーカーの「グンゼ」は、メディカル分野での研究開発を1985年にスタート。

外科手術に使われる縫合糸や骨の接合剤などの医療品質を手掛けています。

これまで培ってきた繊維や高分子の技術を応用し、縫合糸や組織補強材、骨接合材、人工真皮など「生体吸収性」に着目した医療機器を展開している。

 

今後は、「人体に吸収される素材を活用して治療できる分野を広げ、再生医療事業を新たな収益源にしたい考え」としています。