「笑い」がガンの治療に効果

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2018年8月29日、

大阪府立病院機構「大阪国際がんセンターは、

漫才や落語による「笑い」によって ガン患者の免疫力向上、

緊張や疲労といった心身の状態も改善などが確認されたと発表しました。

今後は、研究結果を論文にまとめて詳細な分析を進める予定としています。

 

今回の実証研究前に、

 

がん対策センターの宮代勲 所長

「4カ月という長期でガンと『笑い』の研究をするのは初めて」

 

 

がん対策センターの左近賢人 病院長

「患者さんは笑っているときはがんや心配事を忘れる」

「多くの協力を得て最高の条件で実験を行った。どんな結果でも素直に受け入れたい」

 

と語っていて、

「笑い」がガン治療に与える効果に期待を寄せる。

 

 

 

がん対策センターは、

吉本興業や松竹芸能、米朝事務所らの協力を得て、(落語家の桂文珍さんや桂ざこばさん、漫才師のオール阪神・巨人さんや大木こだまひびきさんらが参加)

「笑い」がガン患者に与える影響を調べる実証研究を実施。

 

2017年56月の計4回で、

(漫才や落語を鑑賞した患者)

(鑑賞していない患者)

それぞれ、約30人のグループに分けて血液を採取して分析。

 

その結果、笑いの舞台を鑑賞した患者の1人が、

免疫細胞の一つである「ナチュラルキラー(NK)細胞」の血中の割合が実験前の約1.3倍に増えたことなどが確認され、

さらに、免疫を高めてガンを抑える作用のタンパク質「インターロイキン12B」を生み出す能力も平均で健康な人の1.28~1.66倍に向上。

 

一方で、鑑賞していないグループには、こうした変化は見られなかった。

 

鑑賞した患者全体を見ても、免疫細胞の増加傾向にあり、

患者の気分の変化やQOL(生活の質)についてのアンケートでは、

緊張や抑うつ、疲労などが改善され、

特に痛みの症状の改善が見られたとしています。

 

 

がん対策センター、松浦成昭 総長のコメント

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「笑いを楽しむことで患者さんががんの苦痛から少しでも解放されることが示せた。治療に役立てることはまだ難しいが、将来は期待したい」

 

がん対策センター、宮代勲 所長のコメント

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「実際にガン細胞にどう作用しているかなどについては、さらに検証が必要。

ただ、患者さんの闘病を支えるうえで、笑いが有効である可能性は高まった」

 

 

今までも、「笑い」の健康効果に関する研究は、国内外で行われてきていますが、

未だに医学的効果は未解明な部分が多い。

大阪国際がん対策センターは、今回の成果を論文にまとめて学術誌に投稿する予定となっています。